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中国との出会い(中村潤一)

○中国に行ってみたい!


 とにかく生の中国をみたい!そんな気持ちから今回のスタディツアーに参加させていただきました。これだけ中国が注目され、日本の街中にも中国人が溢れる今日、私は漠然と中国という国に興味を持っていました。偏見というよりは何か霧の中で見えないような感覚。そんな感覚を払拭し、中国に対する理解を深めるため、キャリーバックを引っ張り出しました。そして中国初上陸!自分では意識していなかった中国に対する誤解を認識し、またイメージの大きく変わった一週間でした。


○ナチュラルで勢いのある国


 中国のイメージ…汚い、臭う。しかし、実際に訪れてみるとそんなに臭いがひどいわけではなく、また街全体も思ったよりもキレイで発展している印象を受けました。和僑会との親睦会の際、現地に留学中の日本人学生が、「中国の1週間は日本の1カ月だ」とおっしゃっていました。ちょっと油断していると急激に変化、発展する国、それが中国なのだと感じました。そして人の多さ。広い広場に人、人、人。地下鉄、バス、タクシーの利用も争奪戦でした。日本人の感覚では、そういった「我先に」の行動には違和感がありますが、中国ではそれが当たり前なのだと思います。海外に出るといつもそうですが、今回の中国でも、当たり前が当たり前でない感覚を感じることができました。中国は一人一人に「勢い」があればこそ生きていける社会なのかもしれません。
 また、中国の公園では、いつも多くの人々がソーシャルダンスやバトミントン、伝統遊び、将棋やトランプなどに興じています。子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで様々な世代が公園で余暇活動を楽しんでいました。実に素晴らしい光景だと思いました。こういった開かれた自由なコミュニティが日本にもあればと切実に思い、羨ましかったです。国の印象として何となく中国は閉鎖的なのではないかと思っていましたが、閉鎖的で窮屈なのは日本社会の方かもしれません。


○made in Chinaの偏見


 4日目に訪れた“南羅鼓巷”は、中国の歴史ある家屋を活かしたオシャレな街です。若手デザイナーの商品を取り扱うアパレルの店や、カフェの並ぶ通りでした。正直、この通りの散策が私の中国への印象を一番変えたといえます。made in Chinaといえば粗悪品のイメージ。しかしここで並べられている服やカバンは実にファッショナブルで、センスがあり、質感も非常に良いです。私もデザインに惹かれてトートバックを即決購入してしまいました。日本にはこういった良質な商品は入ってこないように思います。日本で目にする中国製の製品は安かろう悪かろうの商品が主流です。日本の生産者からすれば、中国の良いものを仕入れても、実際問題としてブランディングの点で中途半端になってしまうので仕方ないとは思いますが、何かもったいない気持ちになりました。made in chinaのタグの持つ意味とその影響について考えさせられます。


○歴史認識の溝


 滞在中は現地の方々との会食が多く設定されていました。BFPにとって非常に重要なこの時間に、私のような若輩者がどういったスタンスで席に座っていればいいのかわからず、ひとまず傍らで皆さんのお話を拝聴しておりました。ある日の会食で中国の日本語学校の先生に会話の流れの中で「日本の若者は歴史を知らないの?」と質問を受け、私は「戦争があったことは知っているが、具体的に何があったかは学校では教えられてない」と答えました。非常に穏やかで親切な先生ですが、その際のどこか残念そうで、怒っているような目は印象的で、戦争に対する日本と中国の認識のギャップは想像以上に深いようでした。戦争に対する認識の甘さという点では私自身も例外ではありません。結局私も戦争についてはよく知っているとはいえませんし、中国の方に平然と「知らない」と言えてしまうわけですから。戦時中に起きた出来事、日本がアジア諸国に行ったことは確かに日本人には耳が痛いと思います。しかし、知る義務と責任があるでしょう。且つそれらを感覚的に認識する必要があると思います。そういった現地の方の雰囲気を直接感じるという点で、先生の目は印象に残りました。
 ツアーの終盤、芸術街で出会った芸術家の方とお食事をする機会がありました。その方は以前、お客さんとしていらした元兵士の方と話をされたことがあり、過去の行為について謝罪を受けたといいます。しかし、この芸術家の方は「被害を受けた上の世代に代わって自分たちがその謝罪を受け入れることはできない」とおっしゃっていました。また一方では、「自分たちの世代には自分たちの世代でできることがある」ともおっしゃいました。これは私の感覚でですが、歴史認識に対する中国のスタンスからは、日本の過去の行いについては厳しく追及しながらも(厳しくというよりは当たり前なのですが)、日本とは友好的な関係を築いていこうという日中友好への積極的な姿勢を全体的に感じました。こうした中国の懐の深さには感動します。しかし、こういった姿勢に私たち日本人が甘えるわけにはいきません。中国の方々は直接口には出しませんでしたが、やはり日本の過去の行為に対する「恨」があることには変わりないように思えます。中国の方々の示してくれる優しさには頭が下がる思いですが、同時に私たち日本人には認識のギャップを埋めていくためのより積極的な努力が要求されているといえます。


○まだまだ無知


 BFPのスタディツアーとしての訪中でしたが、私個人としては単純に中国という国を楽しませていただきました。渡航前、私は中国について何もしらないと思っていました。しかし実際には何もしらなかったわけではありませんでした。made in China=粗悪品のようなイメージです。中国という国家は共産党が統制していて、日本人からみると中国人はgoing my wayで、テキトーで、ガツガツしている。そんなイメージです。しかしこれはある意味当たっているようで、あまりにも不十分な情報でした。少なくとも今回中国で訪れた場所や出会った人々からは大変好印象を受けました。
 おそらく中国には、今回の短い滞在期間ではみることのできない複雑な社会が広がっていることと思います。結局まだまだ私は中国について無知です。噛めば噛むほど味の出そうな中国。今後は今までとは違った感覚と視点で注目していきたいです。

| 中国訪問レポート | 14:49 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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