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取材報告【学徒出陣 Iさん(現在90歳)】
神さんにご一緒させていただき、Iさんのお話を伺いました。 Iさんは今年90歳、とても丁寧で穏やかで思慮深い方でした。ご家族と都内にお住まいです。

【概略】
 戦況の悪化から学徒出陣が閣議決定した1943年、 慶応義塾経済学部在学中だった22歳のIさんも召集され、熊本予備士官学校での初年兵教育を経て南方へ。 マレーシア、ビルマと転属する中、マラリア・アメーバ赤痢を患い現地陸軍病院へ入院。 1945年8月、病院で玉音放送を聞くも、すぐに復員かなわず、指揮命令系統が混乱する中で9ケ月ベトナムにて 英軍指揮下の独立大隊での任務をこなし、終戦翌年の5月に復員。 

 【感想】
 Iさんはいわゆる学徒出陣のはしりです。 召集の際のお気持ちは? とお伺いしたところ、 「学内では軍隊教育はなかったが、自分で本などで“学生とは何ぞや”“この時代における生き方・哲学” などを学んでいたこともあり、いざ召集の際はもう割り切っており、お国のためにと勇ましい気持ちだった」 世の中全体を覆っていた空気もあるのかなぁ、、、と前置きされ、 「“国のために”ということ・・・そのためには自分というものを持っていては、そうはいかないわけだから、 これはもう自分を捨てるしかない、と。それはもう間違いない!と。。」  「壮行会ではこう、机をダーンとぶっ叩いてね、行ってまいりますっ!!とね。。 それはもう勇ましい気持ちでしたよ」 と振り返っておられました。 また、出征壮行会に来ていた住職さんに呼ばれて 「君ね、、、平常心で行きなさい」 と言われたことがとても印象に残っているそうで、 「その時はどういうことか、よく分からなかったけれど、 あとから考えると、ああーあの言葉、、とすごくわかる気がする」とのこと。 インタビューの最後に、 もし今、出征する22歳の自分が目の前にいたら、なんと声をかけますか? とお伺いしたときも、 「“平常心”だね」と即答されました。 「あのお坊さんが言ったように、結局は平常心ってことだと思うんだ、生きるか死ぬかの状況で、 自分で決断していかなきゃいけないんだから」。 勇ましく憧れを持って陸軍へ入隊したものの、南方へ送られてからは、 「なんでこんな戦争しているのかなって。。。自分たち全然、力ないのに。 だってな〜んにもないですよ、人がいない、鉄砲もない、食べられるものも米以外はない(ビルマはお米が主食)。 それで戦争しろっていうんですから」 「特に南方はひどいもんでしたよ、おっぽり出すだけおっぽり出して、 どうやって闘えっていうの  負けるにきまってる 勝てるわけないですよ」 「ある時 上が言うんです、新兵器ができたから見てみろ、使えって。どんなのかと思ったら、 それは投げて爆発するタイプのものでね、数十メートルは飛ぶ、でもどこに飛ぶか分からないんだそうです。 そんなバカみたいな・・・って思いましたよ、それで新しい兵器を開発した?  冗談じゃない、さすがに僕も呆れ果ててね」 Iさんは、下士官であったことや、南方戦線では早期に病で前線から退いたこともあり、 戦闘経験に関わるお話はあまりお伺いできませんでしたが、 “あの戦争はなんだったのか”“その中にあった自分とは”ということを、 当時も、今現在も考え続けてらっしゃるようでした。 戦後、沖縄に行って思うことがあったのがきっかけに、 もうすべて忘れよう、同じ経験をしていないものに言っても わかりっこないから、これからは同じ境遇の人(戦争体験者)以外はシャットダウン!と決意されたとのこと。 

しかし、 14年前にご病気をされたことから、 “人はなぜ生きているか” “今から何をすればいいか” と思うようになったのだそうです。 お孫さんにご自身の体験をお話しすることはないそうです。 「孫には話さないねぇ。聞いてこないしねぇ。」 Iさんにとって、あの戦争とはなんですか? 「来たるべくして来たもの」 「人間の命っていうのは その人がその時代 その世の中で どれだけ生きられるかだ」 以上です。 よろしくお願いいたします。 取材チーム M
| 取材-学徒出陣 | 11:37 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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