NPO法人ブリッジ・フォー・ピース(BFP)の公式blogです。
ここに記載される会員もしくは参加者の見方や考え方は、必ずしもBFPを代表するものではありません。
個人の自由な想いを尊重して運営しています。
Copyright(C) 2005-2015 Bridge for Peace All rights reserved.

<< 沖縄戦ワークショップを開催しました! | main | 8/4(土)フィリピンから考える戦争と平和〜平和の一歩は「知ること」から〜 ご参加お待ちします! >>
フィリピン人の心の内
今月4日から3泊4日、総勢6名でフィリピンへ行ってきました。

毎年2月に開催しているツアーとは異なり、歴史NGOフォーラムが主催する国際会議に出席するのが目的でした。ただ、せっかくフィリピンまで足をのばすのだから...と、ツアーで毎回訪ねているルソン島南部も訪ねることにしました。

国際会議での収穫はもちろんのこと、今回は「フィリピン人の心の内」をより深く聞けたことがとても大きかったです。特に、知り合って10年になるアレックスさんの深い気持ちを知る機会が得られたことは貴重なことでした。

アレックスさんと初めて会ったのは、2008年。

彼が最初から私を信頼していた訳ではなかったこと、父親が日本兵に殺された現場である井戸へ連れていくことに躊躇があったことは薄々感じていました。面と向かって本人に聞く話でもないのでこれまで触れずにいましたが、今回その事件の慰霊碑を建立することになっている町長さんはじめ職員の前で私がその話をしたとき、アレックスさんが「そうそう」と隣で苦笑いしながらうなづいていました。それを見た時、やっぱりそうだったんだなぁとしみじみ思いました。


自分の父親を殺した日本人に対し、最初から心を開ける訳はありません。

アレックスさんが、そのような背景を持って私たちBFPと向き合い続けてきてくださったこと、心の葛藤を抱えながら私たちの行動を見守っていてくださったことに、改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。

また、アレックスさんとの出会いや、私がパガオの井戸へ初めて行った話をした際、職員の女性二人の目に涙が浮かんだことに驚きました。彼女たちは、恐らくその事件当時のことは知らないであろう年齢です。「祖父が亡くなったの」そう言うと、私とは目を合わせず遠くを見つめました。まだまだ癒えない傷が、事件のあった地域に深く残っていることを突きつけられました。

最後に、参加者の一人がアレックスさんに個別取材を申し込んだことから、彼の心の内をより深く知ることになりました。最初は快諾してくださったように見えました。しかし、その日の夜に私の携帯にアレックスさんから連絡がありました。すぐに電話に出られず、気づいたのも遅かったので、翌朝連絡するつもりで就寝しました。

すると、午前7時頃にまたアレックスさんから電話が鳴りました。「やはり取材は辞退したい」というのが主旨でした。BFPとしての取材は何度か受けてくださっていましたが、話すことで彼の心に再び生じる苦しみを、私はどれほど理解していただろうかと思いました。身を削って私たちに伝えようとしてくださっていたことが、改めてわかった気がしています。それだけの決心をもってこれまでカメラの前で証言してくださっていたのです。

このように短い滞在ではありましたが、大きな気づきを得る事ができました。

肝心の慰霊碑建立については、詳細を以下にアップしていますのでご覧頂けたら幸いです。
帰国直後に、建立費用を支援してくださった方々に向けて投稿致しました。
https://readyfor.jp/projects/bridgeforpeace1/announcements/81550

さまざまなご意見もあるでしょうが、私としては、以下2点を理由に流れはよい方向へ向かっているのを感じています。

1.当初、慰霊碑建立に積極的でなかったアレックスさんが、建立に向けてかなり乗り気になっており「私のプロジェクト (my project)」とまで今回表現されました。そのアレックスさんが、今回パガオ町からの提案を「犠牲となった人たちの孫やひ孫世代にあたる学生のためにもなる」と評価しています。

2.当初の慰霊碑設置場所での建立はさまざまな問題が生じ、行き詰まっていました。お金を託したアレックスさんも動きのないパガオ町に対して苛立ちを隠せず、もどかしさを募らせていました。もちろん最終的に建立されるまで、さまざまな課題は今後も生じてくるでしょうが、少なくとも形は違えど「一歩前進」したことは間違いありません。

お金を託してくださった方々の想いがあるので表現が難しいですが、誤解を恐れずにいえば、最終的には「日本人側がどうしたいか」よりも、被害を受けた方々にとって最もよい形におさまる事が重要だと考えています。

フィリピン各地で、日本人主導で作られた碑をたくさん見てきました。
その多くは、現地の人から見向きもされなくなっていましたし、一番最悪のケースは撤去され、設置された地蔵が首を落とされたりしていました。

フィリピン人の心の内、しかもその深いところを理解しなければ、このプロジェクトはうまくゆくものではないと感じています。「慰霊碑の設置を、僕は年齢的に見られないかもしれない」とアレックスさんが今回口にされました。

私は、必ずやアレックスさんと一緒に慰霊碑が建立された現場に立ち会います!
その時には、これまでのツアー参加者そして建立のためにご支援くださった皆様にも、ぜひご参加頂きたいと考えています。ツアー参加者総数は41名。支援者は48名。実際のところ全員が訪問するのは難しいでしょうが、たくさんの人がパガオ町を訪ねたら、それだけで平和へのメッセージになると感じています。

夢は膨らみます。
今後とも、引き続きあたたかく見守って頂けたら嬉しいです。
| フィリピン訪問レポート | 11:54 | comments(0) | - | pookmark |
コメント
コメントする









CALENDAR
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< October 2018 >>
LINKS
RECOMMEND
私たちが戦後の責任を受けとめる30の視点
私たちが戦後の責任を受けとめる30の視点 (JUGEMレビュー »)

BFPとしても2章書かせて頂いています。ご覧頂けると嬉しいです。
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
PROFILE