ジリジリと暑い日が続いていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
戦後74年を迎える夏、今年も昨年に引き続き、一般社団法人IPCさんと共催イベントを開催し、斎藤由美子さんと金子聖奈で行ってまいりました。今年はスペシャルゲストとして、元特攻隊員の沖松信夫さんにお話しいただきました。
去年のブログ報告はこちら下段から
http://blog.bridgeforpeace.jp/?search=ipc+2018
沖松さんのお話をきく会(BFP主催、2016年)の報告はこちらから
http://blog.bridgeforpeace.jp/?search=%B9%AD%C5%E7%B8%A9%B8%E2%BB%D4
去年もそうでしたが、IPCさんのイベントでは、最初にウェルカムショートして、ユーモア溢れる漫才で、とても和やかで暖かい雰囲気の中でワークショップをすることができ、とても素敵な機会だと思っています。
そして、下は小学生、上は80代と幅広い年代の方が参加してくださいました。ただ、「戦争といえば、何を思い浮かべますか?」と何人かの参加者の方に聞いたところ、やはり戦争はむごいもので、人の命が簡単に失われてしまうことなのだ、という認識が共通していました。
まず私から、「アジアから考える戦争と平和」というテーマで、BFPの沿革の紹介やメッセージビデオの上映をまず行いました。
そして斎藤さんに沖松さんの紹介をしていただき、沖松さんのお話に入りました。
沖松さんには、ご自身が中学生のころにどのような教育を受けたのか(中学生の時に自分の将来について書き、先生のコメントが入った作文を持って来てくださいました。)から、特攻隊と知らされたとき、それから戦後をどう生きてきたか、その時どんな気持ちを受けたかをありありと語ってくださいました。
やはり、作文に書かれた先生のコメントは強烈な印象を受けました。
沖松さんの将来に対する気持ちはどうであれ、天皇のために死ね、とごく普通の先生によって書かれていることには、驚かざるを得ません。
参加者からの質疑応答でも、軍隊組織の問題とはなんだったのか、昭和天皇の戦争責任について、はたまた人の幸せとは何なのか、など、多様な質問で沖松さんのお話を深めることができました。
沖松さんのお話は、その点で、とても明快な語りと強い意志を感じさせながらも、言葉にするまでにどれほどの「いいようのない」淀みのようなものを抱えてこられたのだろう、とも思わせるものでした。
沖松さんからお話いただいたことがきっと全てではなく、沖松さんが明快に言葉にできないような黒々としたものも、まだわだかまっているのではないか、そんなことを私は思いました。
沖松さんのお話が終わった後には、マッキーさんが平和への思いを込めて素敵な歌を披露してくださいました。
また、IPC代表の志村さんからはベトナム戦争に兵士として動員されたある青年の実際のお話をしていただきました。個々人の思いを無視して、国によって「敵」とつくらされてしまうこと、個人的にはなんの恨みもない人を殺さなければならないこと。それと青年はどう向き合ったのかをお話しいただきました。
またそのあとの懇談の時間も、参加者の皆さんと色々な話を交わすことができて有意義でした。その懇談の時間では、沖松さんを参加者の皆さんが、まだまだ聞き足りないというように取り囲む様子が見られました。
世代間を超えて、過去の戦争について話し、未来のかたちを考える、とても素敵な時間だったのではないでしょうか。
以下、斎藤由美子さんの感想です。
沖松さんのような稀有な体験をした方から、直接お話を聞ける機会はめったにありません。今回はアイピーシーの若いみなさんに直接聴いて、話し合う時間を持つことができて良かったと思っています。あの時代の雰囲気や受けた教育等々、今ではとても信じられない・・と感じるでしょうか? いや案外今だって変わっていない面があることを発見するかもしれません。沖松さんは「なぜああいう戦争をしたのか、知りたい」と思って、歴史や法科を勉強するために大学に入ったと言っていました。
私たちも「近現代史」をもっと学び、賢い市民にならなければ・・と感じました。
最近届いた沖松さんからの手紙には「鈍感さといえば、日本人の戦争に対する鈍感さは驚くべきものがあります。この鈍感さが政府に利用された、戦争に駆り立てられ国民に不幸をもたらしたと言えるかも知れません。改元祝賀ムードを見ても、かつての日本を誤らせた皇国史観との関連を考えさせられます。」とありました。
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折しも韓日関係の雲行きが、怪しいどころか、大変憂慮すべきところまできていると感じます。
ただ、このようにして私たちの目の前で起こっていることと不可分なものとして、過去の戦争があるということを私たちは忘れてはならないと、改めて感じさせられました。
そして、世界的に排他的な雰囲気が強くなっていくなかで、私たちが戦争を繰り返さないためにはどうしたら良いのか、ますます考えていかなければならないと思います。
最後になりましたが、今年も貴重な機会にお招きいただいたIPCの志村さまと、運営に関わられたみなさま、素晴らしい時間を、ありがとうございました。また、猛暑の中わざわざ都内にお越しいただいて素晴らしいお話を聞かせてくださった沖松さんにも、心から感謝申し上げます。
金子聖奈
2019.08.12 Monday
8/3(土)IPCさんとの共催「アジアから考える戦争と平和」報告
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